かがみの孤城を読んで

 

かがみの孤城

かがみの孤城

 

 

 

本屋大賞受賞からずっと気になっていた本。

読もう読もうと思いつつもなかなか本屋で手に取ることがなった作品。

たまたま読んでいた本の中で、

ベストセラーは読んだ方がいいと書いてあったので

読むことを決意し

いきつけの書店に行きました。

すると書店の中古コーナにあるのを発見。

これはと思い、即購入しました!

 

 

書店で買うべき本!!!

 

読了後、本屋さんで購入しなかったことを後悔するくらい素晴らしい作品でした。

これは書店さんで購入して

著者の方にお金を出すべき作品です。

まだ購入していないけれど

これから読みたい!と思っている方には

ぜひ書店で購入していただきたい作品です。

 

 

不登校を題材にした小説

主人公のこころは、中学1年生。

ある出来事がきっかけで学校に行けなくなる。

学校に行けない自分と葛藤している5月のとある日、

こころの部屋の鏡が光りだす。

鏡を通り抜けた先にあったのは城のような不思議な建物。

こころがそこで出会ったのは狼の仮面をつけた少女と

同じような境遇にいる6人だった。

こころはそれから3月が終わるまでの日々を

城の中と現実世界の中を行き来しながら過ごすことになる。

主人公を含め7人の少年少女たちは

それぞれの事情を抱えながら城に通う中で

少しずつ変化していく物語。

ラストに明かされる真実は必見の物語。

 

2度読みしたくなる作品

読了後、思ったのは「もう一度読み直そう」。

それだけラストの伏線は感動しました。

ネタバレになるので詳細は明かせませんが

ある登場人物がこうつながるのかと驚かされました。

 

初見で読んだ時に気になったのは

一日行かなかったら行かなかった分だけ、

あそこに行ける気がどんどん失せていって、

さらに気持ちが挫ける。

これは、主人公のこころが鏡の中の城に行っていないけれど

行きたい気持ちが溢れている時に思っていた言葉。

 

私自身、学校に行けなくなったことがあったり

いろんなことから逃げ出したことがあったので

この気持ちがよくわかりました。

その日やるべきことをその時にやれないと

ずるずるやる気が失せて行って

後々、自分の首を絞めることになる。

この一文は胸が締め付けられます。

 

そして、何よりこの後に

こころは行き辛かった城に一歩踏み出して行くんです!

学校と心の教室には行けなかったけれど

城には妙な親近感を持てる少年少女がいるからと

一歩を踏み出す姿に力をもらいました。

 

そして、こころが一歩踏み出す背中を押してくれた

もう一つの理由があります。

それは鏡の中の城は願いの鍵を探し当てた人には

何でも一つ願いが叶う ということ。

 

こころには叶えたい願いがありました。

それが

真田美織が、この世から消えますように

真田美織とは

こころが学校に行けなくなる原因を作った子です。

 

私は、この願いの切実さがこの時は

わからなかったけれどすごく心に引っかかる言葉だなと

思っていました。

 

この言葉を最初に目にした時は

狭い中学校という世界の中ならそう思うくらい

自分と合わない子がいてもおかしくはないなということ。

そして、そう思ってしまうこころのことをどこかで

まだ中学生だしなと幼く見てしまっていました。

 

だけど、読みすすめるうちに私はそう思ってしまったことが

間違いだと思いました。

だって、私がこころでも同じようなことをされたら

同じように願ってしまうと思うから。

そして、願ってしまう自分自身のことを責めてしまうから。

 

そして、他にも気になる一文がありました。

「世界の標準がどうだろうと、オレたちがいなきゃいけないのは日本の現実なんだから」

 最初は、中学生ならではの言葉だなって思いました。

学校と家とよくて塾と習い事っていう

限られた世界にいる子たちの切実さが表れているなって。

でも、もう一度この一文を読んだ時に

この言葉が引っかかったのは

私が無意識のうちに自分に制約を設けているからなんじゃないかと

思ってしまったんです。

 

「世界の基準や周りの基準がどうであろうと

今の私にできることはこれくらい」って

どこかで自分に言い聞かせていた。

 

病になって自信を失って

人と関わることが怖くて

限られた狭い世界にいる自分。

 

そんな自分の気持ちを代弁してくれていたからこそ

心に残ったのかもしれません。

 

 

ラストの感動

そして、この本の魅力は何よりも

ラストの伏線の回収のすごさです。

 

ネタバレになるので書けないのが悔しいくらい

すごい感動です!!

ぜひ一気読みしてほしい!!!

 

人はみんな自分の人生の主人公

この本を読み終わった後思ったのは

誰もが自分の人生の主人公。

そして、誰かからもらった優しさが強さになる。

そして、その強さが自分の優しさになって

誰かの強さになるということ。

物語は繋がっていると実感させてくれる感動作。

 

皆さんもぜひ読んでみてください♪

 

 

かがみの孤城

かがみの孤城